8月の奄美フルーツ
右がバンシロ(グアバ)、左がトケイソウウ(パッションフルーツ)
バンシロ(グアバ)
グアバのことを奄美では「バンシロ」と呼びます。標準和名はバンジロウ / バンザクロ(蕃石榴)。
沖縄では「バンシルー」と呼ぶそうですから、例によって薩摩以前の奄美が琉球圏だった証の一つになるでしょう。
熱帯性の植物で国内では奄美沖縄などが栽培適地ですが、室内栽培なら本土でも育てて実を収穫する事が可能です。
とても生命力の強い果樹で、奄美沖縄なら外に放置していても独りでに勢い良く大きくなります。
切り倒しても、残った根から芽が突き出し、あっという間に勝手に成長してしまいます。
いつの間にか繁殖して数を増やしますし、場合によっては「迷惑植物」になってしまう雑草のようにたくましいバンシロの木です。
バンシロは8月あたりから実が大きくなります。
熟した方が美味しいので食べ頃は8月後半から9月いっぱいというところでしょうか。これはパッションフルーツもほぼ同じです。
これはカットしてありますが、スモモのように皮つきで丸ごとまる齧りするのが普通の食べ方です。スモモと違い、種は小さくて柔らかいのでそのまま果肉・皮と一緒に食べてしまいます。
酸味はなく、かといって普通の果物のように甘くはなく、ちょっと表現が難しい不思議な味です。
トケイソウ(パッションフルーツ)
パッションフルーツは地元ではトケイソウと呼んでいるようです。和名が「クダモノトケイソウ(果物時計草)」ですから方言というわけでもなさそうですが。
亜熱帯原産の果物ですが、本土でも露地栽培が可能だそうです。冬が4℃以下にならなければ実も収穫できるみたいですね。それ以下だとハウスになるでしょう。
トケイソウは、枝がツタみたいに他の木に絡みつく様に成長して実をつけます。
グアバの木に絡みつく様に成長したパッションフルーツの実
トケイソウをカットするとこのようになっています。
果肉というよりほとんど種ですね。
ジュースその他に加工してしまうのが大半ですが、採れたての生食もこれぞ南国風味という食感です。
種もそのまま飲み込むように食べます
芳醇で強烈な香りが特徴で酸味が強いです。完熟させると甘みが勝るようになりますが、「パッション」という語感そのままにフレッシュさを堪能するために酸味を残しておいた方が良さそうです。
皮がシワシワになると甘みが勝るようになって酸味が抜けるので、早めに食べるといいです。