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ミカン苗木の植え付け方

tunoka 『津之輝』ミカン栽培

ミカン苗1年生の植え付け

ミカンの初植え付けから1年が経過しました。園芸経験が1年坊主ということで、奥深い農作業ではまだまだ初心者です。

園芸に手を付けた去年は、ミカン苗を10種10本植え、数本を接ぎ木しました。すくすく育ってるのもあれば少し元気のない株もあります。

みかん栽培は面白いので、まとまった数を育てようと思いミカンの種類をどれにしようか色々と考えてました。

最初は「せとか」「なつみ」を十本単位で植えようかと思っていました。

奄美大島では「タンカン」を育てている人が多いです。(家の畑にも10年選手のタンカンがあります)
多いという事は南国奄美の気候でもタンカンは育てやすいということでしょう。つまりタンカンを育てる方が無難なんですね。

でもタンカン栽培が盛んという事はそのぶん流通が島でも多いわけで、多ければ安くなるの法則の通り非常に安く買えたりします。「買って食べたほうがいいじゃん」となるんですね。

それでタンカンの時期が終わる頃に収穫できて、味にも定評のある「せとか」が良いなあと。そして「せとか」が終る晩春から初夏にかけて収穫できる、しかも夏ミカン系に比べて甘いという「南津海」

この選択は我ながらなかなかだと思い、今年の春はこの二種を植えるつもりでいました。ところが・・・

「せとか」も「南津海」も去年1株ずつ植えたのですが、育てるのがとても難しそうなのです。先程の「少し元気のない株」の筆頭です。

この二種、数を植えても頑張れば育てることができるかもしれない。しかしその困難さと労力はハンパではないと。

「せとか」はデリケートなくせに鋭いトゲトゲ、実が成ったら日焼けが心配。「南津海」は新葉が強烈な太陽に弱く、超晩生なので防鳥ネットなしに育てるの無理。

それでも育ててみせるわいと、遮光ネット&防鳥ネットで畑を覆えるように、単管パイプなどを買って準備していたのでした。

ところが苗を購入する段階でいろいろあって、考えた末に「津之輝」に変更。

柑橘 津之輝

津之輝(つのかがやき)は、タンゴール類の一種(清見・興津早生・アンコールを交配)。わりと新しい品種で「第二のせとか」といわれる程美味しいとの評価もあります。

「せとか」に比べて病気に強く、しかも奄美大島でも「タンカンの次はこれ」と、栽培に力を入れているという。つまり亜熱帯気候の奄美でも問題なく栽培できると実証済。まだまだ流通量は多くなく、店で買うと高価なので気軽に買えない。

「これにしときましょう」「津之輝をメインで」と決めました。
「せとか」「なつみ」は実験的に細々と栽培することに。

ミカン苗木の植え付け方

①前もって植え穴を掘っておく

掘り出した土に堆肥や苦土石灰、ヨウリンなどを混ぜて埋め戻してそのまま最低でも一ヶ月放置し馴染ませる(これでガス発生もある程度防げる)。これをやっておくと植え付けのとき土が柔らかいので非常に楽ちんです。
冬場の作業なので楽でした(奄美では真冬でも10℃以下になることはほとんどなく、冬平均気温が15℃程度なので肉体労働には良い感じ)

②ミカン苗のカット

ミカン1年生苗は根の太い部分を剪定し、接ぎ木部の上30センチくらいになるように主幹を切り詰め、植え付け直前に水に浸けておく。

③植穴の準備

接ぎ木部が地面の上に出るように加減して穴を掘り、普通の土を少し入れる(堆肥や粒状のヨウリンや苦土石灰が苗木の根に触れないようにするためです)

④ミカン苗挿入

みかん苗を根を広げてまっすぐ挿し、根の周囲を普通の土で囲み、棒などで軽く突いて根と土を密着させる。苗の周囲を同じ力加減でバランス良くトントン。

⑤灌水

ここで水溜りができるくらい水をたっぷりかけます。

次に堆肥等が混ざった土を入れて埋める。やや山盛り気味にしたあと足で踏んでしっかり安定させる。

新葉はアブラムシがたかるので、アブラムシ・エカキムシ対策に「モスピラン粒剤」を20gほど株まわりに。粒剤は効果が出るまで時間がかかるので新芽発生の頃に効いてくれる筈です。

バーク堆肥に牛ふん堆肥を少し混ぜ込んで

苗の周囲にかぶせます。

これは肥料という意味ではありません。
亜熱帯離島の奄美は太陽光線が強烈で地温もかなり上がります。(気温そのものは日本本土の方が高く、奄美では35℃以上になることはありませんが、その事(気象庁等による数字上の平均気温)と太陽直下の昼間は別の話。亜熱帯太陽光線の強烈さは本土ではありえない程で、炎天下の体感温度は45℃を軽く超えます)

ギラギラ太陽による土の乾燥と地温上昇から幼苗の根っこを守るための「マルチ代わり」なんです。

普通に白のマルチングでもすれば良いのでしょうが、本業農家でもないのでそこまではちょっと・・・
日除けマルチ兼土作りと少しばかりの肥効、一石三鳥を狙った素人考えによるものです。まあ何もしないより良いだろうと。

植え付け終了

⑥支柱を立てて完了

支柱なしでは台風銀座の奄美では台風が心配すぎるし、それでなくても支柱があるとやっぱり育ちが良くなるみたいですね。(風で根が動かないからでしょう)

これから11月ごろまでは虫たちとの戦いです。たいていの虫はミカンの葉が大好き。去年は油断して(というより経験不足)虫にさんざん葉をやられました。今年はきっちり防除するぞー。

ミカン2年生苗の植え付け

津之輝1年生苗に少し先立って、津之輝2年生苗も植えています。

植え付け方法は1年生苗と同じですが、2年生苗はもう主枝ができていますので、主枝だけを切り戻し剪定して植えました。

植え付け後三週間ほどでかなり新芽が出ています。

津之輝

ミカン苗の栽培はいろいろ苦労しそうですが・・・
成長が楽しみです!

初めてミカンを植えて1年、学んだ事は「よく理解できていない整枝剪定を控え、とにかく葉数を確保し樹勢を維持する。肥料をやりたい気持ちを抑えて施肥は極力少なめに」です。

「ミカンの育て方」で検索しても、ほとんどのサイトは苗木と成木の育成方法をゴチャ混ぜで書いてあり、剪定や施肥の記述をそのまま鵜呑みにしては失敗する可能性が大。

初心者がミカン苗を育てるには「心が逸る余り色々といじくりたい気持ち」を抑えるのが大事だと思います。あまりいじくり回さず樹勢が衰えない程度に面倒を見たほうがよさそう。

植え付けから6ヶ月

ミカンの苗木(津之輝1年生)を春に定植してから半年経ちました。

現在の様子

いい感じで主枝になる枝が三本育ってます。

このミカン(雑柑・津之輝)は、枝が直立しやすい、根張りが弱いので台風などの強風対策が必須 という特徴があります。果実はかなり美味で「第二のせとか」と呼ばれたりもしています。

同じような場所から枝がいっぱい発生して立ってしまうため、主枝を選定するのに苦労しました。

うまい具合に三本主枝になってくれた株は少なく、ほとんどは予備枝も含めて4~5本にしてあります。よい力枝になりそうなものも残しておいたり。

下の二本は夏芽を摘心し忘れたもの。ひょろひょろビョーンと伸びてしまってます。

一本だけ長くなったかわりに他の枝が成長してません。良くないですねこういうの。葉を減らすのは嫌ですが、翌新春に切り詰めるしかないのかな。

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