奄美のヤマイモ
「そろそろ山芋が大きくなって食べられるかも」という言葉を聞き僕は興奮しました。さらに「庭と畑に植えたヤマイモは元々野生のもの」とのことで、「やった!自然薯を食えるのか」と大喜びする僕。
あの匂いと喉ごし、自然薯は大好物です。さっそく嫁さんを急かして掘り出してもらいました。
芋を折ったり、傷つけたりしないように、慎重に周囲から掘って取り出します。
自然薯といえば長さが特徴です。細長いので無事に掘り出すには相当な時間が掛かるし大変だろうと思い、手伝おうとすると、「もう出てきた」と嫁さん。
それを見た僕は、「これはいったい?」
ヤマイモとも里芋とも言い難い変な形で、僕が知る自然薯とは、似ても似つかないものでした。
「大和いも」「イチョウイモ」の類なのでしょうか。僕には判別が付きませんでした。
葉はこのような姿。
(イチョウイモと似ているがおそらく違うだろう。ヤマトイモでもない。たぶん南西諸島独特の山イモかな。南方系のイモだと種類が膨大すぎて特定なんて難しそうだなあ。まあいつか調べてみよう。)
そんな僕にお構いなく、巨大な山イモ(みたいなもの)を沢山収穫できて、満足そうな嫁さんでした。
なにはともあれ、家に戻るとさっそく摺り卸して「とろろ」にしてみました。
弾力はヤマトイモふう。なんのイモなのか分かりませんが、さすがに市販のナガイモとはネバリが違います。
お味は、「満足」です。自然薯を満点だとすれば70点くらいの感じですが、思っていたよりも美味しかったです。
ところで、収穫したヤマイモの中に、こんな紅色の個体がありました。
なんだか沖縄の田芋みたいです。少し気持ち悪いと思ったのですが、ものは試しと生で食べてみました。
これは予想通りと言いますか、思った通り、トロロでは不味くて気持ち悪い食感でした。
ザクにしても、やはり食べられる物ではなかったです。
奄美大島のヤマイモ事情
嫁さんによれば、この地方ではヤマイモを生で食べる習慣がなく、地の人は蒸煮して火を通すのが普通なのだそうです。本土風のトロロや山ザクは、内地風の居酒屋が出来たり、本土から戻る島人が広めたようで、奄美には元々そんな食習慣が無かったような気がすると言っていました。
・後日分かったこと
本土のヤマイモ(温帯産ジネンジョ)に対して、この記事で紹介しているイモは、熱帯産ダイジョ(東南アジア原産)でした。ダイジョのことを奄美地方では【コウシャマン】と呼んでいます。
紫色のコウシャマンは昔から旧正月を飾る伝統があったそうです。そしてメインの調理法はやはり「加熱調理」だということでした。