奄美大島の台風
20年9月2日(水)の午後現在、台風9号は五島市の南西あたりにいて時速20キロで北に進んでいるようです。
通過したはずの奄美にも、まだ強い風が吹いています。
大型の台風だからか、奄美が台風の東側になっているからか、その両方でしょうが、影響が長引いています。
8月になってから強い台風が通過してますが、今年の台風は「速度が遅い」ですね。
沖縄・奄美の台風は接近してもおよそ半日くらいで通過していき、去ったあとは爽やかな晴天になる事が多いのです。
9号などは発生したフィリピン東に長く居座り、ノロノロと沖縄まできてまたスピードダウン。警戒していた奄美でも丸々一日以上風や雨が。
9号、幸いにして奄美には「かする程度」でしたが、遅い台風というのは怖いですね。予報がコロコロ変わっていましたし、予報士さんも大変だと思います。
台風に備える
8月の台風8号で警戒していましたから、9号が日本に向かうのが確定的になった数日前にいろいろと備えておきました。
農機具などを収納している納屋のサッシ扉にコンパネを打ち付けて
育苗中の挿し木類も納屋の中に避難
9号は直撃しない様子なので鉢で育苗している果樹類は風の当たりにくい場所へ移動
続いて台風10号も発生していて、これも大型になりそうですし、備えあれば憂い無し(憂いというか恐ろしさはありますが)
予報を見ると、10号は強い勢力で奄美に接近しそうです。現段階で正確な予報は無理でしょうが、警戒しておかないと何が起きるか分かりません。あとは最悪コースから逸れる事を祈るだけです。
台風10号奄美に接近
風の音がとにかく不気味で恐ろしいです。
暴風雨のピークはこれからだと思います。
くれぐれもご注意下さい。
夜から翌7日にかけて接近の恐れがある九州各県の皆様。
とにかく警戒を怠らずに油断しないで。
自然災害の怖さ
年間を通じて世界や日本国内で災害被害の報道が何度もあります。ニュースを見て思うことは「気の毒に」「怖いなあ」という感情と同時に、「なんでそんな災害のある所に住んでるんだ。引っ越せばよかったのに」。そんな感想を持つ方も少なくないでしょう。
豪雨による土砂災害、崖崩れとか土石流に地滑り。そして地震と台風。災害の本当の怖さは【被害を前もって正確に予測できない】ところなのです。
まず災害が本当に起きるのかどうかの予報が当てにならない。ほぼ来ると分かっても、ありとあらゆる要素が絡み合って、どの場所がどのくらいの被害を被るのか、まったく分からない。
僕はバナナを育てていますが、強い台風でも倒れない時もあれば、弱い台風で倒されてしまう時もあります。どの様な状況でそうなるのか正確にはまったく不明です。その瞬間の風向や気圧やその他諸々の諸条件がそうさせるんでしょうけど、そんなのは予測できるわけがありません。
地震や豪雨災害は日本中で起きる可能性があります。「なんでそんな災害のある所に住んでるんだ」と言う問いかけには「北海道から沖縄まで災害の起きない場所なんてどこにもありませんけど」と答えるしかないです。
夏が暑くない奄美・沖縄の不思議
台風の通り道になる南西諸島の奄美ですから台風に関しては覚悟というか諦めるしかないんですが、夏の暑さについてよく誤解されていることがあります。
東京の友人と電話で話すと、挨拶代わりのように訊かれます。
「関東は今日、ものすごい暑さだったよ。ここでこんなに暑いんだから南の奄美は地獄だったんじゃないの?」
そうではなく、本州や九州四国の気温が40℃近くになっている時、奄美・沖縄の気温はせいぜい32~33℃にしかなりません。最高でも35℃。
つまり真夏の最高気温は日本本土の方が高くて、南の島はそこまで上昇はしないんです。
沖縄・奄美の気温が35℃をめったに超えない理由は、おそらく「周囲を海が囲んでいる面積が狭い島」「高い山がなくフェーン現象が起きにくい」から。でしょうか。
でもこれは「気温」がそうだというだけの話。
太陽光線の強さは日本本土と比較にならないくらい強く、南国の直射日光は「危険」の領域です。
車を閉め切って直射日光にあたる所に数時間駐車しようものなら、これはもう何というか表現のしようがない思いをしますし、触る場所によっては火傷することもあり得ます。
今年の春、ミカンの苗木を植えたのですが、元気よく新葉が出たと思ったら、5月後半からの暑さでヨレヨレに
萎れが病気や害虫ではなく、暑さのせいだという証拠に、日陰におく(または夜を経過した朝方)には、下のように復活します。
太陽光線が大好きなミカンでさえこの調子。やはり日差しが強すぎるのでしょうね。
来年以降、幼木・若木のうちは遮光ネットなどで対策する必要がありそうです。
台風の恐ろしさ
8月10日現在、台風5号は九州の北、韓国に近い位置にいます。昨日の時点で奄美大島からは遠い地点にいましたので、「大丈夫だな」と安心していましたが・・・
昨夜もの凄い突風が吹いたらしく、育苗していた果樹の鉢が全部なぎ倒されていました。
例年なら台風が離れて行くと「台風一過」という感じで晴天になるんですが、今回は台風5号の他に熱帯低気圧が2個同時発生していて、それによる擾乱もあって、たんなる「吹き返し」とはならなかったようです。
珍しく7月に台風がゼロだった事で、油断があったのは確かですが、まさか鉢がなぎ倒されてしまうとは。
幸いにも果樹苗は無事でしたが、やはり台風銀座と呼ばれた南の島奄美。そして本当に恐ろしいのは秋の台風です。気をつけなければ。
それにしても、家庭菜園の僕らでも台風に作物を荒らされるとかなりのシックだというのに、本格的に農業をやっていて台風にめちゃくちゃにされる方々の絶望感はどんなものか。その気持ちを想像すると、心が痛みます。